「ヘアカラー=ブリーチしてない」は勘違い?
From:内野
最近、お客様から特に多く寄せられるご質問があります。
それは──
**「私、ヘアカラーはしてるけど、ブリーチはしてませんよ」**という誤解。
実はこの考え方、多くの方が勘違いしているポイントなのです。
◆いま最も多い施術は“白髪染め”
美容室でも自宅でも、いま最も多く行われている施術は「ヘアカラー」、特に**グレーカラー(白髪染め)**です。
市販のカラー剤も年々進化し、手軽に染められるようになりました。
でも──
“染める”という行為の仕組みを理解していないと、思うような仕上がりにならないという声も非常に多いんです。
◆「髪を明るくする」には、必ず“ブリーチ”が関係している
ここが本題です。
髪を明るくするには、必ず**“ブリーチ(脱色)作用”**が関わっています。
例えば、
ヘアマニキュア
ヘナ
カラーバター(トリートメントカラー)
これらは髪を傷めず色を加えるタイプですが、明るくする力はありません。
ただ「色をのせるだけ」のものです。
◆白髪染めも“ブリーチ作用あり”って知ってましたか?
「私はブリーチしていません。普通の白髪染めですから。」
実はここが大きな落とし穴です。
ほとんどの白髪染め・一般的なヘアカラーは、2剤式(アルカリカラー)。
この2剤の中には**過酸化水素水(ブリーチ成分)**が含まれています。
つまり──
一般的なヘアカラーは、
**“ブリーチ剤に色素を加えたもの”**なのです。
髪の内部にあるメラニン色素を分解(脱色)し、そこに染料を入れる。
これが、ヘアカラーの基本的な仕組みです。
◆「ライトブラウンで染めたのに、黒くなった…」の謎
よくあるお悩みがこちら。
「カラートリートメントのライトブラウンで染めたのに、なぜか黒っぽくなる」
「明るい色を選んでるのに、全然明るくならない」
実はこれ、髪の“ベースの色”が明るくないために起きている現象です。
白髪や明るい髪には、ライトブラウンはそのまま色が乗ります。
でも、黒髪にいくらライトブラウンを重ねても黒のまま。
なぜなら、黒髪を明るくするにはブリーチ作用が必要だからです。
明るい色を“のせる”だけでは、明るく見えることはありません。
◆では、どう染めるのが正解?
髪のダメージが気になる方には、
ヘナやカラートリートメントなどの**“脱色しない染料”**がオススメです。
ただし、それらは「髪を明るくする」ことはできません。
あくまで色をのせる、またはトーンを落ち着かせるための手段です。
もし、
「明るく染めたい」=「ブリーチ作用が必要」
という原則をしっかり理解しておけば、
セルフでも美容室でも、納得のいく仕上がりが得られるはずです。
◆まとめ
“染める”という言葉の中には、2つの意味があります。
髪を明るくする(=ブリーチ作用)
髪に色をのせる(=染料のみ)
どちらを選ぶか、どう使い分けるかは、髪の状態と理想のスタイル次第。
大切なのは、きちんと「染める仕組み」を理解すること。
それが、髪を無駄に傷めず、理想の色を叶える第一歩です。
PS.
「明るく染めたい」「でも傷ませたくない」──
そんな方のための実践編をこちらでご紹介しています。
ぜひチェックしてみてください。
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